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日帰り温泉需要の高まり

『安・近・短』が頻繁に使われていたのはかなり昔のことだったと記憶しています。

一過性の流行言葉で、死語のひとつかと思っていましたが、どうやら温泉業界ではそうでもないような。

日経プレスリリースにこのような記事が掲載されました。

JTB、温泉入浴・食事など組み合わせた「旅館・ホテル日帰りプラン」を拡充

記事の内容は、旅行者の日帰り需要が拡大しているということ。

「日帰り温泉」をタイトルに入れた当サイトが言うのもなんなのですが、 温泉業界は大丈夫?と心配になってきます。

日帰り需要の拡大

日経プレスリリースによると、「日帰り旅館ホテルプラン」(首都圏地区)の販売実績が、2009年7月と比較して同年9月は4.3倍に急増しているというのです。この不景気な時代に、わずかに2ヶ月の間に4倍の増加を見せるような商品はなかなか見つけることができません。

「スキー」の次にあることからも、日帰りはJTBの検索キーワードでも常に上位をキープしているそうです。

この記事を書いている時点でも3位に位置していました。 日帰り温泉という商品は季節変動要因の変動を受けにくいのが良くわかります。

JTB検索キーワード

日帰り温泉の良さとは

全国日帰り温泉ガイドがあえて言うなら、みんなもっと温泉地に泊まろうよと。ほんの1時間程度で終ってしまう入浴よりも、一日ゆっくり温泉宿で過ごしたほうがそりゃいいに決まってますから。すばらしい温泉旅館に泊まるのを楽しみに日々の仕事を頑張っている人も多かろうと思います。

経済的に問題ないのならやっぱり宿に泊まりたい。特に奥様方はそうじゃないでしょうか。上げ膳据え膳に憧れているようですから。

では日帰り温泉の最大の魅力はなんなのかということになります。日帰り温泉の魅力とは、 それはやはり「疲れないこと」、これにつきます。だって温泉入って帰ってきたらとても疲れたなんて意味ないですから。疲れないためには「近場」の温泉であること。

しかし、JTBはそんなことはおかまいなく、お客様が求める商品だから拡充している・・・、企業の取るべき立場としては正しいです。でもそれは3000年以上続く日本の温泉文化が廃れはじめてゆく兆しのように見えてしまい、とても歯がゆい。 日帰り路線に走ったら旅行代理店もいつか窮するときが来るだろうにと思うのです。 ちょっと飛躍し過ぎかもしれませんね。

生活の多様化

温泉利用の始まりは「湯治」であると私は理解しています。一部の温泉地では現在でも湯治が行なわれていますが、それを除けば「湯治」は「一泊二日の温泉旅行」に取って代わり、その温泉旅行も「日帰り温泉」にとって代わられようとしているわけです。

これは個々人が選ぶことだから、何が良いとか悪いとかの問題ではありません。

つい先日のニュースですが、雑誌「小学5年生」と「小学6年生」が廃刊。担当者のコメントにあった「生活の多様化」という言葉に痛々しさを感じました。そして温泉文化にも同じ臭いを感じます。

温泉文化の継承

じゃあ、温泉地に宿泊することと日帰り温泉に行くことを天秤にかけて、どちらも下がらないようにするにはどうすれば良いのか!?

それには温泉文化の教育でしょう。 何も難しいことをする必要はありません。林間学校や修学旅行で温泉旅館に宿泊すれば良いのです。でもただ宿泊するだけではダメ。

社会の先生あるいは日本史の先生が、豊臣秀吉は有馬温泉が大好きだったとか、武田信玄は温泉を隠してばかりいたとか、そんな話を聞かせてあげれば良いと思うのです。

でないと、日帰り温泉=温泉と勘違いされかねませんから。

日帰り温泉にも温泉宿にも、そして旅行代理店にもみんなに頑張ってもらいたいのです。

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